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2023/01/16

研究員 児玉(渡邉)の論文が「発達心理学研究」に掲載されました。

イデアラボで開発中の経験サンプリング法のためのアプリ「Especially Me」を使った研究員 児玉(渡邉)の論文が「発達心理学研究」に掲載されました。  

【研究の概要】

目的:2,3歳児を育児中の母親における,日々の子どもを叱るという行為とその日の否定的感情との関連を,日常的に抱く虐待不安や夫婦関係満足度,第二子の有無が調整することを示す。 方法:2,3歳の第一子,第二子を育児中の母親99名を対象に,ESMアプリ(Especially Me)を用いて,28日間の縦断調査を行った。 結果と考察:相関分析および階層線形モデルによる分析を行ったが,いずれも,その日の叱り経験の有無と否定的感情には関連が示されたが,叱りの適切さと否定的感情との間には関連が示されなかった。適切に叱る,つまり,感情表出を抑え込むための方略(抑制)は,認知的な負担だけではなく,否定的感情に伴う生理的反応を増大してしまうことが知られているため,叱りの適切さによる否定的感情の差が見られなかったのかもしれない。 また,叱り経験の有無と否定的感情との関連を,日常的に抱く虐待不安,夫婦関係満足度,および第二子の有無が調整するという仮説は支持されなかった。今後の研究においては,叱り経験を測定する際に虐待を想定させる項目を含めること,夫婦関係の満足度のみではなく叱りに関する認識の一致度なども測定することなどが課題として残った

【論文情報】

児玉(渡邉)茉奈美・榊原良太. (2022). 子どもへの叱りと否定的感情の関連およびその調整要因の検討:経験サンプリング法を用いた4週間の縦断調査. 発達心理学研究, 33, 356-365.   Espacially Meアプリの詳細についてはこちらもご参照ください (http://esm.life/)