2024/09/02
研究員 北村の論文 The potential role of robust face representations learned within families when searching for one’s child in a crowd. が「Scientific Reports」に掲載されました。
自分の子どもの顔は、親にとって最も社会的意味を持つ刺激のひとつであり、他の子どもの顔よりも早く探すことがより良いケアにつながる可能性がある。他方、我が子の顔が特別な社会的刺激であったとしても、自分や配偶者など他の家族と比べてどのように処理されるかは十分わかっていない。そこで本研究では、これらを視覚的探索パラダイムを用いて検証した。参加者(親)は、自分の子ども、自分の配偶者、他の子ども、同性の大人、異性の大人の顔を探索対象として探索した。その結果、母親も父親も他の子どもの顔よりも自分の子どもの顔をより早く識別し、加えて自分や配偶者の顔を他人の成人顔よりも早く検出することができた。さらに家族の顔を検索する時間は、顔刺激の数が多いほど長くなり、系列的な処理がなされていることが示唆された。本研究の結果は、家族や親密な関係の中で学習された強固な顔表象が、家族の顔に対する探索時間の短縮を支えていることを示唆している。
Kawachi, Y., Murata, A., Kitamura, M. S., & Mugitani, R. (2024). The potential role of robust face representations learned within families when searching for one’s child in a crowd. Scientific Reports, 14(1), 16790.