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研究員 上田の論文がSchizophrenia Research: Cognition誌に掲載されました

【研究の概要】

知覚推論は経験を通して形作られた脳内の感覚表現に基づく事前の予測により感覚刺激を推定する能力とされ、感覚情報と事前知識に基づくベイズ統計的プロセスに基づいていると考えられています。近年、このような知覚推論の障害は統合失調症の方の内部モデルの変化に関連するのではないかという仮説が提案されており、症状理解の手がかりとして注目されています。
 
そのため本研究では知覚推論の結果として起こる現象の一つである時間再生課題における中心化傾向の強さを非疾患群、疾患群の間で比較し、知覚推論がどのように統合失調症の症状と関連するかを検討しました。
 
研究の結果、一定の時間の長さにおいて統合失調症の方はそうでない方に比べてより事前の予測に重みづけをした知覚推論を行うことがわかりました。また、知覚推論の変化は意欲・発動性の障害、会話の貧困と相関することが示されました。本研究は統合失調症の症状と知覚推論の関連を示唆しています。

 

【論文情報】

Ueda, N., Tanaka, K., Maruo, K., Roach, N., Sumiyoshi, T., Watanabe, K., Hanakawa, T.
Perceptual inference, accuracy, and precision in temporal reproduction in schizophrenia,
Schizophrenia Research: Cognition, Volume 28, 2022, 100229

 

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2215001321000366