2021/12/10
ちまたに技術書や学術書が溢れているのはわかっているけど,今さらイチから勉強する時間とかないんです,という方に向けて心理学の専門家が体系的に「ここが勘所!」を押さえて説明するセミナーです。
「本なら1冊」「授業なら8コマ」の基本知識を,体系的に(これ重要)ぎゅっと凝縮した内容になっています。
また,受講者はセミナー後の質疑応答だけでなく,希望者は後日オンラインで無料の個別相談会にも参加いただけます。個別相談会では,講師への研究
相談や添削依頼など,相談枠で対応できる範囲でお答えします。
今回のセミナーは,コンサルティング事業部 研究員の北村が担当しました(博士 (文学))。東京大学先端科学技術研究センター研究員,NTTコミュニケーション科学基礎研究所研究員,早稲田大学高等研究所准教授というキャリアの中で多くの企業と共同研究を行ってきた経験があり,リアルな例えでわかりやすい講義が好評です。
今回のテーマは「実験計画」
実験なら学生時代からずっとやってきた,という理系技術職の方もいらっしゃるかと思いますが,実験室で行う科学実験と同様に,ヒトを対象にした実験にも綿密な実験計画が必要です。
しかし,人間やそれを取り巻く環境は複雑で**「要因を統制する」ことが難しい**のも事実。
今回のセミナーでは,ヒトを対象とした実験を計画するときのポイントやコツをぎゅっと凝縮してお届けしました。
(1)実験とは何なのか
さぁ実験!と取り組む前に,まずはじっくり現象と向き合い,「どんな行動の,どの原因」を調べるのかを掘り下げる必要があります。
その具体的なステップについての説明から始まりました。
現象を掘り下げたあとは,具体的な実験計画の考え方の基礎を学びます。世の中に数ある研究法の中で「実験」を選ぶということは,あるものの因果関係が知りたいからです。その原因と結果を変数に落とし込む方法から,現実世界で条件統制するための方法まで,具体例による丁寧な説明がありました。
(2)実験に大切な3つの考え方
特に大切な考え方として,以下の3つのポイントがあります。
これらのポイントについて,順に詳しく説明されていました。
(3)企業における実験計画のプロセス
この考え方を念頭においた上で,実験計画の詳細に移ります。
企業での研究は,関係者が多くなりがちであったり,利害関係がからんだりすることで当初の目的と実際の実験がずれてしまうことがあります。
アウトプットの方法も学術研究とは違うものが求められることがあるので,先を見据えて研究目的を整理するコツの紹介がありました。
続いては実験計画の要である,変数の設定についての説明です。
変数の概念の説明から,どのように剰余変数を統制するのかまで体系的な紹介があり…
データ特性をふまえた分析手法をおさらいし,どうすれば目的にあった実験計画を設計できるかについて具体的な説明がありました。
(4)実験のその前に 〜些細なようで大切なこと〜
最後はタイトル通り,「些細なようで大切なこと」も教えてもらいました。
(このスライドの他にもいくつか)
ここまで約2時間,実験とは何か?から実際に実施するときの注意点まで網羅的な講義となりました。
イデアラボのセミナーは,月に1回程度行う予定です。
今回ご紹介した実験法のセミナーも,年に1〜2回程度開催しますのでイデアラボからの情報(Twitter)をご覧ください。
また,イデアラボと年間コンサルティング契約をしてくださっているクライアントの方には,別途無料で開催いたします。
(詳細は担当研究員にご相談ください)
コンサルティング事業部 研究員 博士(文学)